当然っちゃぁ当然のことなんですけど、バニラスカイリムで日本人顔はほぼ作れません。
MOD入れてもだいぶ厳しいですよね。スカイリムは洋ゲーでは典型的なリアルな世界観のゲームで、キャラクターモデルだって当然リアル志向。だったらリアルなアジア顔、日本人っぽい顔もいけるやろ…なんて短絡的にやってみると泣くことになります。
いくらパーツを日本人ぽく調整しても全然日本人ぽっくならないんですよね。バタ臭さが抜けないんです。パーツを極端に動かさないと日本人の顔に近づかないですし、かといって極端な調整をしてしまうと全体のバランスがおかしくなって不気味の谷に直行して爆死、「こんな日本人おらへんやろ」と悪態をつきつつボツになります。
そりゃヘッドメッシュがコーカソイドベースだから当たり前ですよね。
ノルドはいわずもがな、ブレトンもレッドガードも結局ベースはコーカソイド、ネグロイドといった顔面の起伏が大きい顔つきばかりです。
骨格レベルで違うんだから作れるわけないやんという話で、そんな現実を前に制作を断念せざるを得ないわけですが、やはりあきらめきれず「こんどこそは!」と再挑戦を重ねるも「無理なものは無理」と現実にくぎを刺され某青戦士よろしく心をへし折られます。
……
どんなスキンテクスチャを入れようがダメ。どんなにスライダーであれこれ調整しようが無駄。何度心をへし折られたかわかりませんが、私は日々悶々としていました。
しかしある日、ふと思いました。
「そもそも一体何が具体的に日本人らしくないんだろう?」と。
そうだ。まずは敵(?)を知らねばならぬ!知らないから直せないと思い込んでいるだけの可能性もあるのだから!
もし日本人顔を作りたいというのなら、何が日本人顔らしくないのかをはっきりさせ、それを解消することで日本人顔は作れるんじゃあないか?(ミスタ
そう思い立ち色々検証していくと、なかなか興味深いことが分かってきました。
1.後頭部の大きさの違い
スカイリムの顔メッシュを横から見てみます。するとわかるんですけど、後頭部が広いというか大きいというか長いというか…
ゴツい…ゴツくない?
そもそも日本人、モンゴロイドはただでさえ後頭部が絶壁傾向ですのでこんなに後頭部が後ろに膨らんでたらエイリアンみたいになってしまいます。顔を正面にしてやや斜め下から覗き込むと後頭部が後ろに伸びていてゴツくみえます。
首が太すぎると思うんですよ。X軸だけでなくZ軸方向にも。
かといってこの部分を調整するスライダーもないどうしようもないんですよね。
2.瞼の作りの違い
これはほとんど既知の事実かもしれませんが、モンゴロイドとコーカソイドの目、というか瞼には大きな違いがあります。
モンゴロイドの目元は顔からやや突き出て膨らんでいる形になっていますが、コーカソイドの場合は眼球が頭蓋骨の中に押し込まれているかのように収まっているような形です。ネグロイドも同じですね。
その特徴によってコーカソイドは目を開けると瞼が目の奥にすいこまれるようにたたまれるんですよね。目の上に深い溝ができて二重になる。さらにアイソケットの陰影がついて天然のアイシャドウ効果まで付いてきます。
化粧いらないのでは?というのは言い過ぎかもしれませんが、なので目が大きく見えるんですね。
厳密には二重ではないんでしょうが、実質二重的な役割を果たしているんですよね。二重とか一重ということを気にするのがモンゴロイド、ひょっとしたら日本人特有かもしれませんがそれはこの特徴にあるのかもしれません。
スカイリムの顔テクスチャ、メッシュはコーカソイドのそれをデフォルメしたような作りになっているので(テクスチャに瞼がしまい込まれた状態のをかいている)日本人的な目元を作ろうとするのは厳しいんですよね。特に一重の目なんか難しいというか…そもそも可能なのでしょうか?
こだわるならノーマルマップやスキンテクスチャ、何ならヘッドメッシュから瞼回りを作り替えないと完璧には再現できないと思います。
3.頬がシャープすぎる
じゃぁ目を前に出せばいいじゃない!と目の位置を前に持ってきたとしても全然モンゴロイドにならないんですよね。なんというかやっぱりイカツイ。日本人には全然なじみのない顔。というか目だけが異様に突き出していて宇宙人みたいになってしまいます。
目元の形状が違うというのも大きな要因の一つですが、もう一つ大きな要因がありました。
それは頬。
元のヘッドメッシュの頬は、頬骨から下、かつやや後方、頬の内側に向かって斜めにまっすぐ向かっておりシャープな形状になっています。
一方モンゴロイドは某漫画でも言われている「顔面平たい族」で各パーツの起伏が小さく、目だけではなく頬骨から頬の下にかけて全体的に各パーツが前に出ています。さらに丸みがあり、頬がより外側に丸みを帯びる形になってます。
これをスカイリムで再現しようとした場合、頬骨は出すことができてもその下の頬が前に出せないので角度がきつくなってさらにコケるため余計にきつい顔になります。後述する「顔のシャープさ」を解消できず、どんなに調整してもバタ臭い顔のままになってしまいます。
4.そもそも顔全体がシャープすぎる
そもそも頬だけの問題でもないんですよね。コーカソイドの顔は基本的に角ばっていてメリハリのある「いかつい」印象なのですが、それに対してモンゴロイドは全体的に丸みをおびて「やわらかい」印象です。
おかめ納豆でおなじみおかめさんの顔を見るとわかりやすいんですが、全体的にふっくらしていて、下膨れなんですよ。とくにほっぺは落ちそうな感じというか、ぽちゃっとしている。コーカソイドのそれとはまるで対照的な作りです。
実際の日本人はおかめさんほど極端な特徴をもつわけではないですが、極端でないというだけの話で
おかめさんは日本人顔のデフォルメ的存在なんだと思います。
よって、顎や眉毛付近の頭蓋骨の形など骨の特徴が控え目で肉の部分が丸くふくらんで緩やかな傾向にあるモンゴロイドのそれを再現しようとその真逆の顔つきであるコーカソイドベースの顔でいくらパーツ位置を調整してみてもちっとも「丸くて柔らかそうな顔」にはならないんですよね。
5.RaceMenuのスカルプト機能を使おう
さて、ここまでスカイリムで日本人顔をつくるのは大変であることを書いてみました。
こんだけ違うんだから作れないのは当たり前な気がします。もう本当に一から作るしかないんじゃないか…なんて気になってきます。
が、実はこれを解決できるMODがあるんですよ。
それがRacemenuちゃんです。
Racemenuにはスカルプトという機能が実装されており、まるで粘土細工のように直接メッシュをブラシで膨らませたりへこませたり滑らかにしたり動かしたりしながらヘッドメッシュ、各パーツを直接編集することができる機能になります。
感覚としてはZBrushとかの3Dモデリングツールを触ったことがある人はわかりやすいんじゃないでしょうか。
この機能を用いれば1. のふくらみ過ぎている後頭部を削ったり、2.の瞼のメッシュを膨らましたり3.の頬をより全面に膨らましたり4.の四角い部分に丸みを与えてみたり、あるいはバリバリこの機能を使って直接形状を自分で作り替えたりとパーツスライダーでは表現しきれない調整が可能になります。(表情や他パーツとの関係上、限界もありますが)
実際この機能のおかげで、作れる顔の実現性、バリエーションはぐっと増えると思います。実際私も色々作っていますが、Racemenuでなければ作れなかった顔ばかりです。
スカルプトは慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、使ってればすぐ馴れます。馴れてしまえばこれほどに便利な機能もありません!特に表面を滑らかにするスムースは本当によくお世話になる便利な機能です。仕上げにスっと顎の下を撫でてやればつるつるになります。顔の輪郭を整えるのには本当に重宝します。
完璧な日本人顔を作れるわけではないけど、それっぽくは作れる
1~4を修正するだけでも概ね日本人顔っぽくできるので完ぺきとは言えずともかなり近い形には持って行けるんではないかと思います。パーツで大体の雰囲気を決めたら、スカルプト機能で形を作って後は相互に微調整の繰り返しですね。
まぁとはいえキャラメイクにおいては第一にノーマルマップなどのスキンテクスチャが大前提なのでメッシュの修正でできることにはやはり限りはありますが、メッシュの形状を自由にできるのはやはり強力です。
というわけでなんだか最後はただのRacemenuスカルプト機能の紹介みたいになりましたがこの辺で!
追記:UBEがすごい
と思っていたらUBEとかいう化け物次世代キャラメイクMODが出てきました。もうノーマルマップを編集する必要もない。メッシュの変形だけであらゆる顔を製作可能。
UBEで作ってみましたが、明らかにこちらの方がいいですね。
UBEの記事↓
フリッカーもやってます★